Sidro di Mela "Cidre du Saint Bernard" / Maley
シードロ ディ メーラ “シードル サン ベルナール” / マレイ
【タイプ】シードル
【ブドウ品種】リンゴ、洋ナシ
【ヴィンテージ】2021年
【産地】イタリア・ヴァッレ ダオスタ州
【容量】750ml
【店主コメント】
【醸造方法等】発酵は大きな樽の中で自然酵母のみでゆっくりと進んでいく。培養酵母や砂糖、酸などは何も足すことはない。アルコールが2.5%まで上がった段階で冷却し、フィルターに通す。その後、ボトルに移し、更に発酵が進んでいくことで天然の発泡を手に入れる。この手法で醸したシードルは長く還元状態にあるので、少し空気と触れさせて開かせてあげなくてはいけない。
【生産者】マレイ
【生産者について】イタリアでの「シードル」の認知度は非常に低いが「ヴァッレ ダオスタ州」では第2次大戦前までは日常的に飲まれていた。「モンテ ビアンコ」の麓で伝統的な酒「シードル」の 復活を実現させたのが「マレイ」。 グラッパ蒸留所「ラ ヴァルドタイネ」の敷地内に間借りしていて醸造責任者は「カーヴ ド ヴァン ブラン ド モルジェ」で長く醸造責任者を務めていた「ジャンルカ テッローリ」。
『スプマンテの為に畑を探していた時、荒廃したリンゴ樹を見つけた。地元の老人からシードルの話を聞き驚いた。昔、ここはシードルの産地だった』
アオスタ渓谷の中心部「ブリソーニュ」に位置。標高は900m。白樺の森に囲まれたリンゴ樹が残されている。葡萄は寒過ぎて育たない。 「シードル」に使われるリンゴはブラン ド モルジェが造られるラ サレ地区の「ラヴェンツェ種」とフランス領シャモニーで栽培される「クロッソン ド ブシ種」の2つの品種。
『2種のリンゴにアルプスの伝統製法に従い4%程の洋ナシを加える。華やかな香と軽さが出る』
自社畑に加えて樹齢の高い樹を所有する栽培家からリンゴを購入している。全てのリンゴはある一定の有機栽培規定を満たしたものを使用。
『リンゴの樹は300年以上も生きるので樹を切ると罰せられる法律があった。だからシードルが造られ なくなっても樹は残っていた』
1世紀以上前からそれぞれの地区の果樹園は協力し合ってシードルを造り上げてきた。「モンテ ビアンコ」のリンゴは最も高い畑で標高1,000mを超えており、生産は困難を極めるが、果実自体の芳香は他の地域を圧倒する。
『葡萄もハーブも同じだけど高地で育つ植物、果実は香味成分が豊かで繊細さを味わえる。それは発 酵工程を経ても同じ』
標高1,000mのリンゴは樹齢80年を超えている。 標高の高さでカビや害虫、病気の心配もほとんど無 い。害虫さえも生きられない環境。「ラヴェンツェ種」と「フラクロッソン ド ブシ種」は高い酸度と豊富なタンニン。そして適度な糖分を備えている。
『酸度、糖度、タンニン、1 つでも欠けていればシードルは完成しない。リンゴは完全に熟して自然と落ちたものを拾って収穫する』
マレイでは最も伝統的な手法である「メトド アンセストラル」で「シードル」を造っている。
『メトド アンセストラルを採用している造り手は年々減少。伝統は守らなくてはいけない』
リンゴは酸度と糖度のバランスを見ながら全て手作業で収穫される。300kgのカゴに入れて優しく醸造所に搬入、手早く切り刻み種子を取り除きローラープレス機に投入する。 搾り出されたモストは冷蔵室の中に置かれ浮遊物を落ち着かせる。発酵は大きな樽の中で自然酵母のみでゆっくりと進んでいく。
『培養酵母や砂糖などは足さない。アルコールが2.5%まで上がったら冷却、フィルターに通す』
その後、ボトルに移し、更に発酵が進んでいくことで天然の発泡を手に入れる。
『この手法で醸したシードルは還元状態にある。空気と触れさせると開き始める』
フルートグラスでのサービスは避け、白ワイングラス、もしくは「シードルボウル」などで空気と触れる面を 多くすることが重要。ゆっくりと香が開きだす。
2021 シードロ ディ メーラ “シードル サン ベルナール” / マレイ
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