Vino Rosato "Merendendi" / Vintage
ヴィーノ ロザート “メレンデンディ” / ヴァンタージュ
【タイプ】ロゼワイン
【ブドウ品種】プティ ルージュ 50%、シラー 50%
【ヴィンテージ】2020年
【産地】イタリア・ヴァッレ ダオスタ州
【容量】750ml
【店主コメント】
【醸造方法等】アオスタにはロゼワインって無いんです。私達の家族も飲みません。レストランでもロゼワインなんて無いんです。ですが、私の祖父はサルディーニャ出身で、そこには沢山ロゼワインがあったんです。それを想って造りました。自然発酵が終了したらステンレスタンクに移して9ヶ月熟成。上澄みだけをボトリングして3ヶ月寝かせました。粘土と岩が多いシャンバーブの古い畑の葡萄を使用。通常のフレッシュで軽いロゼワインだと思わないで下さい。食前酒だなんて、とんでもない。ストラクチャーがあり、力強く、個性があります。高い樹齢の葡萄はロゼでも十分に土地の個性を汲み上げます。期待をある意味で裏切るんです。だから、メレンデンディと名付けました。尊大で傲慢なくらいのロゼワインなんです。
【生産者】ヴァンタージュ
【生産者について】アオスタほど保守的で、ある意味変わらない産地は珍しいかもしれません。地元消費比率が高いので、世界の嗜好に合わせたり、色々なワイン造りが導入されたりという事が上手く進んでいないのかもしれません。そんなアオスタで長くレストランで働き、ソムリエの資格を取得した若いエリザベッタ。更にワインを突き詰めていく内にワインのサービスや分析ではなく、地元アオスタのワイン造りの復興に興味を持ち始めます。2014年、偶然、放棄された葡萄畑を借りる事ができ、念願の葡萄栽培を開始。2年後の2016年には極少量のワインを地元で販売し始めました。尊敬する造り手は、グラヴネル、ヅィダリッヒ、フォラドリ、ラディコン、ダリオ・プリンチッチ、ヴォドピーヴェッチ...。こうなると大体どんな方向性か
解りますよね?生物多様性、自然栽培、循環型農業の実現。畑では銅と硫黄、プロポリス、乳清、ハーブしか使いません。全ての化学薬品は排除されています。土壌に長く残留してしまう銅は年間4gまで使用が許されていますが0.5g しか使いません。そして、彼女が最も重要視しているのが耕作放棄畑の再生。過疎化や高齢化に伴い、過酷な葡萄畑での栽培は敬遠されがち。年々耕作放棄畑は増えています。樹齢は高いが、剪定等の正しい処置がなされていない畑を時間をかけて再生し、健全な葡萄が収穫できるよう改善していきます。栽培も醸造の経験もありませんでした。興味を持ち、信じる造り手達に尋ね、失敗する事で学んでいきます(2016年の赤ワインは全滅)。毎年、約20種類の醸造を試し、半分を失敗...。プラスチック容器、古バリック、アンフォラ、石製の容器、なんでも試し、失敗を繰り返していく事でしか学べない事も多いのだそう。醸造面での拘りは、自然の中で生き抜く力を持った高い樹齢の葡萄樹を作ればエネルギーを持った葡萄ができる。同時に自然酵母も手に入る。それを最大限に活かす事。まず、エネルギーのある葡萄。樹齢の高さから凝縮度を得る。その葡萄を自然酵母だけで発酵。黒葡萄でも白葡萄でも果皮の要素こそ葡萄の重要な個性と考え利用します。清澄、フィルターはある種の旨味を奪うと考え、一切行いません。酸化防止剤は醸造中、一切使わず、瓶詰時に極少量添加するというもの。
アオスタの環境と言うのはワイン造りにとって非常に厳しいものです。最も多くの畑があるシャンバーブはヨーロッパ全域で最も乾燥する土地と言われています。イタリア北部に位置しながら夏はトスカーナよりも暑く、日照量はシチリアを超えるほどです。そして、他のどの地域にもない土着品種が多く残り、棚仕立てや混植など時代と共に消え去った伝統的な農業が残っているのです。この素晴らしい伝統的農業を、放棄された畑と共に捨て去ってしまうのは悲し過ぎます。放棄された樹齢の古い葡萄樹を再生する事がエリザベッタの1つの大きな目的なのです。
2020 ヴィーノ ロザート “メレンデンディ” / ヴァンタージュ
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